(コラム)ラフカディオ・ハーンと掛合
現在放送中のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。皆さんも楽しく、ご覧になっていたでしょう。
物語もいよいよ3月27日(金)に最終回を迎えます。小泉八雲ことラフカディオ・ハーンと、怪談を愛した妻・セツの夫婦愛を描いたこのドラマ、回を追うごとに大きな話題になっていますよね。
ドラマの舞台である松江は今、聖地巡礼に訪れる観光客で大にぎわい! 11月の小泉八雲記念館の来館者は昨年の約2.5倍、旧居に至っては約4倍にもなっているそうで、その人気ぶりがうかがえます。
実は、あの文豪・小泉八雲と掛合には、少しの縁がありました。
八雲が松江で教師として過ごしたのは、明治23年からわずか1年3ヶ月ほどのこと。その後、厳しい冬の寒さなどを理由に、熊本への転任を決意しました。
今でこそ簡単に移動できますが、当時は鉄道もなく、熊本への道のりは大変な大冒険です。本当は船で海を渡るはずだったのですが、船の都合がつかず、八雲は「陸路」で向かうことを選びました。
松江大橋から小さな蒸気船で宍道湖を渡り、宍道へ。そこからは人力車で道を南下する旅。その旅の第一夜に、八雲が泊まった場所こそが、掛合の上町「竹下屋旅館」でした。
かつて掛合は、松江と石見・備後を結ぶ宿場町としてとても賑わっていました。今も、その当時の面影を残す竹下屋旅館の建物は「竹下醤油店」として大切に守られています。
松江での思い出を胸に、深まる秋の掛合で過ごした一夜。
八雲という文豪が確かにこの町に立ち寄り、呼吸をしていたという事実は、地元の人たちにとって、これからも大切に語り継いでいきたい誇りであり、宝物なのです。


