🃏掛合地区に伝わる伝統のカードゲーム「掛合トランプ」の遊び方

掛合地区に伝わる「掛合トランプ(絵取り)」。
江戸時代から独自のルールで親しまれてきたこのゲームは、戦略と運、そしてチームワークが鍵を握る奥深い遊びです。

♤掛合トランプの歴史

掛合地区にある清水医院の先祖・清水葦庵(しみず いあん)氏が、享保年間(1716〜1736年頃)に留学先の長崎からトランプを持ち帰り、その子孫の道達(どうたつ)氏が明治期に町中に広めたと言われています。日本にトランプが伝来した初期の形を残す、貴重な伝統遊戯です。

掛合トランプ

♡ゲームの概要

  • 人数:4人 または 6人
  • チーム戦:向かい合った2人がペア(チーム)になります。(ペアを味方、対戦相手を相手方と呼びます)
  • 使用カード:ジョーカーを除く52枚
  • 目的:ペアで協力して、絵札(A, K, Q, J)をより多く獲得すること。

1. 準備と座席決め

まず「くじ棒(1〜6の数字)」を使って席とペアを決めます。

【6人の場合】
1〜6のくじを引き、1を引いた人から反時計回りに座ります。

  • ペアの組み合わせ:「1と4」「2と5」「3と6」
  • 最初の役割:「1と4」「2と5」が対戦。「3と6」は配り番となり、最初のゲームは休みます。

【4人の場合】
1〜4のくじを引きます。

  • ペアの組み合わせ:「1と3」「2と4」
  • 最初の配り番:「2と4」のペアが行います(4人プレイでは配り番もゲームに参加します)。

2. ゲームの流れ

このゲームは、「配り番」がカードを配ることから始まります。(「配り番」はクジ引き、または前回負けたペアがなります)
特に6人プレイの場合、「負けたペアは次のゲームで配り番(休み)になる」という交代制が特徴です。

① カードを配る

配り番のペア2人でカードを、おおむね半分ずつ持ち、よくシャッフルします。

  1. 1人目の配り番:くじ引きで1を引いた人、または前回勝ったペアの1人からスタートし、反時計回りに1枚ずつ配ります(手持ちがなくなるまで)。
  2. 2人目の配り番:1人目が配り終わった場所の次から引き継ぎ、残りのカードを同様にすべて配りきります。
② 「切り(切り札)」の決定

このゲームには最強のマークとなる「切り(切り札)」が存在します。

  • 基本ルール:最初はダイヤ♦が「切り(切り札)」です。
  • 変更する場合
    • 初回:カードが配られ、誰も手札を見る前であれば、配り番ペアが宣言して好きなマークに変更できます。
    • 2回目以降:基本は前回のマークが継続されます。変更したい場合は、配り番ペア(6人の場合は休みのペア)が宣言します。
③ カードの強さと特殊カード「れんしょ」

カードの強さ
強 A > K > Q > J > 10 > 9 … > 3 > 2 弱

最強カード「れんしょ」
スペードのA♠(スペキュレーション・Speculation) は「れんしょ」と呼ばれ、切り札よりも強い絶対的な最強カードです。

  • ※例外:スペードが「切り(切り札)」として宣言された場合は、クラブのA♣を「れんしょ」として扱います。大会では、初回にスペードが「切り」として宣言されたものとして行われることも多いです。

3. プレイの手順(反時計回り)

1. 最初の打ち出し(リード)
前回勝ったペアの1人が親として好きなカードを1枚出します(最初のゲームではくじで1を引いた人かその相方)。
※ペア同士で「誰が出すか」の相談は可能ですが、手札の内容を口にしてはいけません。

2. カードを出す
他のプレイヤーは、反時計回りに一枚づつ打ち出されたカードと同じマークを出していきます。
同じマークがない場合のみ、好きなカード(「れんしょ」・「切り(切り札)」など)を出せます。
※自分の左手側を上手(かみて)、右手側を下手(しもて)と呼びます。

3. 勝敗の判定
場に出た4枚の中で、以下の優先順位で勝者を決めます。

  1. 「れんしょ」が出ている(無条件で出した人の勝ち)
  2. 「切り札」が出ている(一番強い「切り(切り札)」を出した人の勝ち)
  3. それ以外(打ち出されたマークの中で一番強いカードを出した人の勝ち)

4. カードの獲得
勝った人が場のカードを総取りします。

  • 絵札(A, K, Q, J):表にして自分たちの前に並べます(得点源)。
  • 数字札(10〜2):裏向きにして場の中央に捨て札にします。

勝った人が次の親になり、次のカードを出し、手札がなくなるまでこれを繰り返します。


4. 勝敗と得点計算

手札がすべてなくなったらゲーム終了です。
獲得した絵札(A, K, Q, J/全16枚)の枚数を数えます。

  • 勝ち:絵札を多く取ったペア(9枚以上)
  • 8枚ずつの場合:「れんしょ」を持っていなかった(配られなかった)ペアの勝ち。
ご石(チップ)のやりとり

ゲーム開始時、各ペアは5個ずつの「ご石(またはチップ)」を持ち点とします。
勝ったペアは、以下の条件に応じた数のご石を負けたペアから受け取ります。

【得点計算表】

獲得した絵札の枚数基本の点数負けペアの手札に
「れんしょ」と「切りのA」
があった場合
負けペアの手札に
「A」が4枚全て
あった場合
8 〜 11枚1点2点4点
12 〜 15枚2点2点4点
16枚(総取り)4点--

※「良い手札が入っていたのに負けた場合、支払う点数が高くなる」というペナルティ要素があります。
※6人プレイで休んでいるペアは、ご石のやり取りを行いません。


♧ゲームの終了

これを繰り返し、最終的に最も多くの持ち点を持っているペアが優勝です。
※最後の支払いでご石が足りない場合はマイナス点として計算し、勝者はその分を受け取ったものとして集計します。