掛合トランプ(絵取り)戦略ガイド
掛合トランプは運の要素も強いですが、「絵札(A,K,Q,J)をいかに効率よく9枚集めるか」を意識するだけで勝率は劇的に上がります。
1. 最強カード「れんしょ(♠A)」の鉄則
① 基本は「後出し」で相手方の絵札を狩る
自分が親の時に「れんしょ」を使うのはもったいない行為です。
理想の形: 相手方が自信満々で出した「切り札のA」や「他マークのA」に対し、「れんしょ」を被せて横取りすること。これが決まれば、点数(絵札)を奪いつつ相手の精神的ダメージも与えられます。
② 「8対8」のプレッシャーを知る
ルール上、絵札が8枚対8枚の同点だった場合、「れんしょを持っていなかった(配られなかった)ペア」の勝ちになります。つまり、「れんしょ」所持ペアは、同点では負けです。そのため、「確実に9枚取る」ための攻めと、「相手に8枚取らせない」ための徹底した絵札回収が求められます。
2. 親になった時の判断基準
最初にカードを出す「親」はゲームの主導権を握ります。以下の優先順位でカードを出しましょう。
- 【最優先】2〜4枚持っているマークの「平札のA」
- 平札のAとは「切り(切り札)」・「れんしょ」以外のAのことです。これが最も安全です。自分が2〜4枚しか持っていないなら、相手方もそのマークを持っている確率が非常に高く、切り札で邪魔されることなく確実に絵札を回収できます。
- 【次点】5枚以上持っているマークの「平札のA」
- 誰かが持っていない(切れている)リスクは高まりますが、これを後回しにするのはもっと危険です。 手札が多ければ多いほど、そのマークの勝負は何度も発生します。手札が減ってから出すと確実に切られるため、「まだ誰も切れていないはず」という序盤のうちに、祈るような気持ちで(笑)Aを処理し、1点を確定させます。
- 【攻撃】「切り札狩り」の実行
- 自分に強い絵札(AやK)が多い場合、あえて「切り札」を打ち出します。相手方の切り札を枯渇させれば、後半に自分のAやKが無敵になります。
- 【防御】「手札なし」を作る
- 手札に1枚しかないマーク(一枚持ち)があれば、早めに処理しましょう。そのマークがなくなった状態になれば、後でそのマークが出た時に「切り札」を出して勝つ権利が生まれます。
- 【禁止】弱い絵札(QやJ)からの打ち出し
- 強い絵札(AやK)を持っていないマークから、QやJを出すのは厳禁です。相手方のAやKにカモにされるだけです。そのマークは、誰かが打ち出してくれるのを待ちます。自分が最後に出す番(4番目)などで、AやKが出尽くした後にポロっと出して勝つのが理想です。(または味方が確実に勝ちそうな時に乗せる)
3.絵札の活かし方
- 相手方が親で、打ち出(リード)されたマークが1回目の打ち出しの場合、親の下手(しもて)の時(2番目)、手札にAがあればそれを出します。親の上手(かみて)の時(4番目)で味方が勝てる場合、弱い絵札(QやJ)があればそれを出します。
- 2回目の打ち出しで、1回目の打ち出し(リード)でAが出されている場合で親の下手(しもて)の時(2番目)は手札にKがあればそれを出します。親の上手(かみて)の時(4番目)で味方が勝てる場合、絵札(K、QやJ)があればそれを出します。
4. 手札の偏りの活かし方
最初の手札に「同じマークがたくさんある(5枚〜6枚以上など)」という状況のとき、それが「切り札」か「平札」かで戦略が180度変わります。
- 切り札がたくさんある場合:
- 自分がたくさん持っているということは、相手方はほとんど切り札を持っていないということです。
- 早めに切り札を連打して、相手方の手札から切り札を根こそぎ無くさせてしまいましょう(これを「切り枯らし」と言います)。
- 相手方の切り札がなくなれば、自分や味方が持っている別マークの「A」や「K」が、誰にも邪魔されずに通るようになります。
- 自分が切り札を独占していても、最強カード「れんしょ(♠A)」だけは別格です。自分が切り札の打ち出しを繰り返している最中に、相手に「れんしょ」で割り込まれるリスクだけは計算に入れておきましょう。
- 平札(普通のマーク)がたくさんある場合:
- 「自分がそのマークをたくさん持っている」=「他の人はそのマークをほとんど持っていない(またはゼロ)」の可能性が高いです。
- 自分の持っている枚数に応じて序盤にAやKを出すのは良いですが、調子に乗って3回目、4回目と出し続けると、相手の手札が尽き、「切り札」を出されて負ける確率が跳ね上がります。
- 鉄則: そのマークの「A」や「K」を出して権利を取ったら、深追いせずに別のマークに変えるのが賢明です。
数字ばかり → 自分からは絶対に出すな!!
- 逆転の発想「他のマークが手薄である」:
- 自分が持っていないマークが打ち出された時こそ、チャンスです。
- 平然と「切り札」を出して、相手の絵札を横取りしましょう。
- どうせ後半には切られてしまう運命にあるので、マークの多いカードに固執するよりも、手薄なマークで切り札を使って稼ぐ方が点数に繋がります。
5. チームプレイとカウンティング
① 味方へのアシスト
- 味方がAやKを出して確実に勝てそうな時は、自分は惜しまず絵札(QやJ)を乗せてあげましょう。1回の勝ちで2枚以上の絵札をゲットするのが勝利への近道です。逆に、相手が勝ちそうな場では、絶対に絵札を出さず、2〜10の数字札を捨てて被害を最小限にします。
- 味方の手札からあるマーク(切り以外)が切れたのを察知し、かつそのマークの絵札が出そろっていないときは、そのマークを強い順に打ち出して相手方の絵札を追い出しましょう。(味方が切ってくれる)
- どちらが親になるか
- ゲーム最初の親は、どちらが親になるか相談できます。強いカードで場をコントロールしたい人、または早く処理したい「一枚持ち」がある人が親を引き受けましょう。
② 意識しておくべき5つのポイント
- 「れんしょ」は出たか?(まだなら、切り札のAですら安心できない)
- 相手方に切り札は残っているか?(できるなら、出た切り札の数を数えておく)
- それぞれのマークが何回打ち出(リード)されたのか?(3回目以降は「切り札」を警戒)
- AとKはどのマークが出たか?
- 誰の手札のマークが切れたのか?
6. リスク管理と「ご石」
掛合トランプ独自の「役持ちペナルティ」に注意しましょう。
- 「レンショ + 切り札のA」を持っている時:負ければ支払い2倍。
- 「A」が4枚全てある時:負ければ支払い4倍。
これらの手札が来たら、最強の手札であると同時に「負けられない戦い」です。出し惜しみによるミスは許されません。確実に勝ちに行きましょう。
7. 確率いろいろ
掛合トランプ(絵取り)における、いろいろな確率。
- 手札が配られた直後に特定の1人が、特定のマークを1枚も持たない確率:約 1.28%(約78回に1回の割合)
例えば、「Aさんがハートを1枚も持たない確率」です。(掛合トランプでは、「初切れ」といいます) - 手札が配られた直後に特定の1人が、特定のマークを1枚しか持っていない確率:約 8.01%(約12.5回に1回の割合)
例えば、「Aさんがハートをちょうど1枚持っている確率」です。(掛合トランプでは、「一枚持ち」といいます) - 手札が配られた直後に特定の1人が、特定のマークを2枚以下しか持っていない確率:約 29.88%(約 3.3回に1回)
あるマークが2回打ち出された段階で、相手方(2名)のどちらかの手札からそのマークが切れている確率は自分の手札内の枚数にもよりますが、約67%。確率50%をはるかに超えるため勝負は控えるべきです。 - あなた(または特定の誰か)の手元に「切り」が6枚以上くる確率:約 5.16%(約 19回にに1回の割合)
4人のうち誰か1人が、「切り」を6枚以上持っている確率:約 20.1%(約 5回にに1回の割合)※けっこうある事 - あなた(または特定の誰か)の手元に「切り」が7枚以上くる確率:約 1.01%(約 100回にに1回の割合)
4人のうち誰か1人が、「切り」を7枚以上持っている確率:約 4.04%(約 25回にに1回の割合)※そんなにない事
8. まとめ
勝利の方程式
- 序盤: 不要な数字札を処理しつつ、味方の強さを探る。
- 中盤: 「切り札」や「れんしょ」を駆使して、相手方のAやKを捕獲する。
- 終盤: カウンティングを元に、残った強いカードで確実に絵札を回収する。
初心者のうちは、親の時「Aがあれば出す」「なければ一番枚数の少ないマークの数字を出す」の2点を意識するだけで十分強い動きになります。頑張ってみてください。

